12.FC本部が担う役割と機能②

飲食FCブログ

こんにちはリストランテ”TETSU”の飲食FCブログです。

前回に引き続き、FC本部が担う役割と機能について、日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)が発表している倫理綱領から考えていきたいと思います。倫理綱領の詳細についてはJFAのホームページに掲載されているので、そちらをご確認ください。ブログではこの9項目について、実例を交えて、どのように整備していけば良いのかを考えてみたいと思います。

 

倫理綱領2.「正確かつ十分な情報提供」

加盟希望者向けに書いたブログ「F3.本部が公表している売上・収益について」でも取り上げましたが、正確な情報という抽象的な言葉は発表する側に有利なようにまとめられたり、ときには作為的に不都合な情報を取り除いて公表されたりするケースがあります。悪意をもって書き換えるといったことは論外ですが、作為的に都合の良い情報だけを公表するのはグレーゾーンだと考えているFC本部もあると思います。
このようなグレーゾーンを法律で完全に規制するのは不可能ですし、そもそもその判断基準を明確にすることさえ困難でしょう。だからこそ、FC本部には倫理観が問われてるのであり、それを欠いた状態で長期的に繁栄できるブランドは築けないでしょう。JFAでは、「正確かつ十分な情報提供」の項目の説明文で、以下のように説明しています。

フランチャイザーは、フランチャイジーの募集にあたって、正確な情報の提供を行うものとし、誇大な広告や不当な表示をしない。フランチャイザーがフランチャイジーとなることを希望するものに提供する情報は、契約の内容、モデル店の過去の営業実績、フランチャイジーが必要とする投資額、フランチャイジーの収益予想など、フランチャイズをうけるか否かを判断するのに十分な内容を備えたものとする。
出典:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/36.html

「誇大な広告や不当な表示」

前段の「誇大な広告や不当な表示」については、消費者庁が取締っていますし、誇大広告について疑問があれば、JARO(広告審査機構)に問い合わせるといったことも可能で、FC本部の暴走を抑止、規制する仕組みがあります。FC本部としてはこの関連法規に則って活動することになります。
誇大広告は主に景品表示法にその規定があり、優良誤認、有利誤認、その他誤認の可能性のある表示が規制対象となります。他にも不正競争防止法、独占禁止法、商品やサービスを規制する法律(JAS法、健康増進法等)等があります。この場で全ての法律の中身を見ていくことはできませんが、FC本部を運営する限りは、知らなかったでは済まない規制です。
店頭でポスター1枚掲示するだけでも、優良誤認に抵触しないか、監督官庁に事前に確認するといったことは、FC本部では日常的に行っています。数多ある法律を完全に理解するのは困難なので、分からないときや迷ったときは、直ぐに監督官庁に聞いて確認するという姿勢が大事故を防ぐポイントとなります。
FC本部を立ち上げた当初は組織が小さいので、経営者にそういった感性や知見があれば、問題ないのですが、徐々に組織が拡大していくと、担当部署任せになり思わぬところで、落とし穴にはまるケースがあります。法律を犯す気持ちがなくても、規制があること自体を知らないといったことも起こり得るので、法務的な知識が不可欠です。
法の目を搔い潜って目的を達成しようとするのは論外ですが、成果を求めるあまり、その一線を踏み外すことが無いよう、FC本部の理念や方針にも、しっかりと明示しておくことが必要ですし、順法精神を組織文化にしていくことが欠かせません。こういった教育も初期段階で仕組をつくっておくことをお勧めします。

「フランチャイジーの判断の元となる情報の提供」

後段の「フランチャイジーの判断の元となる情報の提供」については、どれだけ正確な数値を示したところで、それは過去のものです。未来については、ある程度予測はできたとしても、それが現実のものとなる確証はありません。予測精度をどれだけ高めるかがポイントとなりますが、この点についてはFC本部の経験値やおかれている状況、企業姿勢等により、大きく左右されるものです。
開業間もないFC本部にとっては、特に実績となるモデル店の事例自体が少ないので、客観的な論拠に乏しくなります。かといって、保守的に売上や利益を見積もれば事業的な魅力に欠けたものになります。かといって売上を高く設定すると現実とのギャップがあれば後で係争の論点になってしまうので、経費項目の方を際限なく切り詰めてしまっているケースもあります。管理可能(変動)経費は加盟店の責任だという論法です。
こんなことをして、裁判に勝ったとしても、加盟店との信頼関係は崩壊しますし、本部としても発展は見込めません。結局、あとからもめるようなデータは初めから出さないのが1番です。分からないことは分からない、不安なことは不安だと伝えるしかありません。またその理由をしっかりと説明するべきです。誰にも将来は見通せないので、運命共同体として、はじめに掲げた目標を手を携えて実現していく覚悟こそが大切で、机上の数字遊びに時間を費やしても、得るものはありません。
加盟希望者には実際の店舗を何度でも徹底的に見てもらって、入店時にはレジデータもその場でプリントアウトしたり、従業員さんにヒアリングしてもらったりして、ありのままの店舗を体感してもらうことで、加盟判断してもらえば良いと思います。あとからもめるより、はじめに洗いざらい見てもらって、意思決定してもらう方が、格段、効率的だと思います。
係争ほど、不毛な時間と費用の浪費はありません。勝とうが負けようが、プラスになるのは弁護士さんだけです。当事者はお互いに大きな傷を負うことになります。それを未然に防ぐのはブランドに対する共感しかありません。お互い見栄を張らずに、スッピンで向き合うしかないと思います。それでも一緒にやっていきたいという相手と加盟契約を締結したいものです。
次回は倫理綱領3.「フランチャイジーの適格性確認」について、考えてみたいと思います。

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