こんにちは、リストランテ’TETSU’の飲食FCブログです。
FC本部が担う役割と機能⑥改良・開発・指導援助の継続
FC本部が担う役割と機能について、日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)が発表している倫理綱領から考えていきたいと思います。倫理綱領の詳細についてはJFAのホームページに掲載されているので、そちらをご確認ください。ブログではこの9項目について、実例を交えて、どのように整備していけば良いのかを考えてみたいと思います。
倫理綱領6.「改良・開発・指導援助の継続」
フランチャイザーは、フランチャイジーが適正な収益をあげつづけることができるように、つねに商品・役務の改良及び開発並びに経営のノウハウの研究開発に努め、かつ、フランチャイジーに継続して指導、援助及び情報を提供する。
出典:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/36.html
上記、倫理綱領6の規定は補足説明からも分かる通り、「継続性」について、同じ状態を保つという意味ではなく、不断の努力により、ブランドの改良や新たな研究開発に取り組み、継続して加盟店指導や援助、情報提供を求めています。
繰り返されるブランドの凋落
サラダバーやカレーが食べ放題のステーキレストラン、量り売り・マイレージ会員サービスのステーキレストラン、高級生食パンチェーンなど、一世を風靡したものの、その後、凋落の一途を辿っているフランチャイズチェーンは数え切れません。
一方、50年を超えて存続し、今もなお成長しているフランチャイズチェーンもあります。また、一旦は凋落モードに入ったものの、奇跡的な復活を果たし、再成長を果たしたチェーンもあります。あのマクドナルドでさえ2014年に発生した中国・上海の食品工場で期限の過ぎた鶏肉使用が明るみになったことを発端に長期的な低迷期がありました。この時も単に食品の問題だけでなく、それまでの販売価格やサービス内容を乱高下させるマーケティング施策に対する顧客の潜在的な不満も内在していたように思います。
私自身も、ゼロから立ち上げたブランドや創業から50年近く経つブランドまで、10を超えるブランドについて、直接、ないし間接的に本部運営に携わりました。その中にはV字回復させたブランドもあれば、今では消滅してしまったものまで含まれています。共通して言えることは、ブランドの内的な問題は解決できても、外的な問題による問題は業態変更といった対応策は取れるにしても、同じブランドを継続することはできないケースもあるということです。
クリエイターとマネージャー
クリエイターとは「新たに何かを創り出す人」、マネージャーとは「管理や運営など目標に向かって組織や従業員が能力を発揮できるよう支援する人」を指します。両者の能力は別物だということを理解しているのにも関わらず、両方の役割を担う創業者が多いように思います。どうしても自分が生み出したブランドを自らの手で管理・運営したくなるのでしょうが、そこに失敗の要因が潜んでいるように思います。
フランチャイズ本部を運営する場合、このことを自覚し役割分担を明確にして組織作りすることが非常に重要だと思います。ブランドの改良や継続的な加盟店の指導・支援といったことについては、このマネージャー的な役割を担う人ないし組織をしっかりと配置し、対応していくことが継続性の確保に繋がるように思います。私自身は2つの能力の内、マネージャー的な役割を担うことが多く、やりがいを持って取り組むことが出来ました。
強靭な財務体質(土俵の真ん中で相撲をとる)
次に改良や研究開発といった平時レベルではなく、抜本的な改革が必要な危機レベルでの継続力について考えてみたいと思います。ロードサイド居酒屋業態で起こった事例では、飲酒運転の取締り強化という道交法の改正と社会的な意識の変化にどれだけ抗ったとしても、そのままの業態でV字回復させることは不可能でした。そういった変化に直面すれば、抜本的な業態変更に挑戦するしか道はありません。この変更には莫大な費用が必要なので、FC本部としての資金的な体力が問われることになります。紳士服チェーン店がインターネットカフェ(漫画喫茶)に業態変更していくといった生き残り策も資金的な備えがあってはじめて可能でした。
稲盛和夫氏が著書『実学』のなかで、「土俵際に追いつめら、苦し紛れに技をかけるから勇み足になったり、きわどい判定で負けたりする。それよりも、どんな技でも思い切ってかけられる土俵の真ん中で、土俵際に追い込まれないような緊張感を持って勝負をかけるべきだ」と仰っています。ブランドの継続に関わる危機に直面したとき、余裕をもって抜本的な改革に取り組める余力をもっておくことがFC本部には求められているということです。
財務体質を強化することが経営に重要なことは当たり前だけど、そんなこと出来たら苦労しないといった意識をお持ちの方も多いと思います。しかし、大事なことは土俵の真ん中に1歩でも近づこうと意識して社員にその重要性を伝え、全社一丸となってその状態を目指す風土をつくることです。私はバイクに乗りますが、バイクはコーナーの出口に目線をおくだけで、バイクは自然とその方向に傾き、そのラインに近づいていきます。同様に経営では土俵の真ん中に意識を向けることで、そこに近づいていくように思います。念じれば通ずるという、まやかしではなく、経営者が意識すれば、社員も自ずとそれを意識するようにり、結果的にその実現に近づくということです。
業態転換に必要な本部スキル
また、業態転換を行うといった場合には上記したクリエイティブな能力と加盟店を含めたブランド全体をマネジメントしていく能力を総動員する必要があります。常日頃から、こういった能力が有機的に結合し、ブランド運営を継続的に進めていく土壌作りが重要です。新たな商品を開発する商品部やマーケティング本部とFC店の管理・支援を担当するスーパーバイザー部門の連携が悪いといったことがFC本部において散見されますが、普段からこの連携を高めておかなければ、迫りくる危機的状況に対応することはできません。土俵の真ん中を意識することと同様に、クリエイティブとマネジメントのバランスは常に意識して良好な関係を築くことが不可欠だと思います。
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