こんにちは、リストランテ’tetsu’の飲食FCブログです。

前回の飲食FCブログNo9で、FC契約後の本部研修や物件選定時の注意点について共有させて頂きました

店舗の物件が決まって店舗の工事費用の見積書をもらいましたが、これからやるべきこと、注意しておくことはありますか?

施工工事は本部が取り仕切りますが、見積書は細かく確認して不要だと思えば遠慮せず指摘しましょう。売上を上げるのは大変ですが、費用を減らすのは意外と容易なのでトライしてください。「利益=売上-費用」を常に意識しましょう

いよいよオープンが近づいてきて緊張してきました。でも本部研修が終わってからやることが減ったのですが、今やっておくことはあればアドバイスください

研修で学んだことを振り返ったり、同業店を視察して周ったりすれば研修前とは違うことが見えるかも知れません。あと不安な点があれば本を読んで勉強するのもよいでしょう。後ほど参考になりそうな本をいくつか紹介します

では今回の本題であるオープン前後の注意点とオープン後の従業員さんのモチベーション維持向上について考えてみたいと思います

新店の場合、物件引渡から中食では3日、外食では1週間程度新人研修を行ってからプレオープンやレセプションと呼ばれる予行練習を行い本オープンを迎えることになります。この研修期間中は本部から派遣されるスタートアップトレーナー(以下STという)がオープンまでのスケジュールに沿って新規採用した従業員さんの教育や加盟者が担うことになる店長業務のサポートをしてくれます。

STが従業員のシフトの書き方を教えてくれると思いますが、そこで書いたシフトはイコール人件費です。希望者は全員目一杯入ってもらおう、などと無意味にシフトを多くすると給料支払時に後悔するので慎重に考えましょう

できるだけ多くの従業員さんに仕事を覚えてもらいたいと思うので、ついシフトに多く入ってもらおうと考えていました。研修も全て人件費がかかるんですね。

家を買う時にも起こりがちなことですが、家本体に支払う金額が大き過ぎて、しかもローンなので、金銭感覚がマヒして、余計な高額オプションを次から次へと発注してしまうことに似ています。

FC加盟時に大金を支払い感覚がマヒして、いつもなら節約する筈の1,000円、2,000円といった時給や食材に気が回らなくなるケースがあるので注意が必要です。

店舗運営が始まれが、ひとつの弁当や定食から得られる利益の少なさやそれを得ることの大変さを実感されることだと思います。

その小さな利益を積み重ねて、店舗を増やしたり、社員を採用したり、家族を養ったりして行く訳ですから、たとえオープン前の研修中とはいえ、適切なコスト管理をするよう心掛けましょう。

常にコスト意識をもつことが、利益を上げてお店を存続させていくことに繋がっていくんですね。良く分かりました

いよいよ開店です。オープン後一番大切なことはなんでしょうか?たくさんの従業員さんが自分についてきてくれるのか不安です

数日経てば本部スタッフも来なくなります。これからはご自身の力で店舗を運営していくという覚悟をもって従業員さんとも接していきましょう
従業員さんが活き活きと前向きに仕事をしてくれれば、自ずと売上や収益は上がっていきますが、逆に後ろ向きな姿勢で、だらだらと働かれては、お店は早晩、市場から不要と判断されるでしょう。店舗の設備やメニューはチェーン店なので、どこも同じレベルです。にもかかわらず同じチェーン店でも売上に倍以上の開きが生じます。以前、お伝えした通り、立地の差によるところも大きいのですが、もうひとつの要因は、店長を含めた店舗従業員の差によるものです。
ひとの心は移ろいやすく、入店時は目を輝かせて働いていた人が1か月もすれば別人のようにモチベーションが下がって苦々しい顔で働いていたりします。その理由は、パートさん同士の仲が悪かったり、私生活の恋愛問題で悩んでいたり、学校との両立が体力的に厳しかったり、様々ですが、こういった問題が顕在化する前の段階、いわゆる予兆の段階で適切な対処をおこなえるか否かが店長の力量の差ということになります。
また、従業員さんが普通のモチベーションで働いていたら、普通レベルの店舗運営になりますが、圧倒的に高いモチベーションの従業員さんが働いている店舗は、競合店を圧倒する店舗運営ができるでしょう。従業員さんのやる気をいかに引き出すのか、ということも店長やオーナーの力量にかかっています。
では従業員さんがやる気になってくれる要因は何でしょうか?給料や待遇といったことを連想される方も多いかと思います。もちろん、約束した給料すら支払わなければ、すぐに辞めていかれるでしょうし、仕事に対するモチベーションも上がりません。
しかし、給料を上げてモチベーションのアップを図ったところで、3か月もすればまた次のアップを期待されますし、給料を上げ続けられず、同じ給料で固定するとそれ自体がモチベーションダウンに繋がり兼ねません。お金を含めた対価を動機付けに使うことの困難さは『モチベーション3.0』という本で科学的に説明してくれているので、興味のある方はご一読ください。

従業員さんのモチベーションと店舗理念の関係について、先日逝去された稲盛和夫氏(盛和塾塾長)から学んだことをここでご紹介させて頂きます
【従業員さんのモチベーションと理念の必要性について】
では従業員さんに高いモチベーションで継続的に働いてもらうためにどうすれば良いのか、私は店舗を運営する意義を明確にすることだと思います。言い換えれば従業員さんが店舗で働く意義です。それを短い言葉で表現したものが「店舗理念」です。店舗理念がなく、無目的にただ日常業務をこなして給料を得ているだけでは、ひとの心は満たされません。高い志を掲げて店舗を運営すれば、自ずとその理念に共感するひとが現れ、ひいては、お客様にも伝播して社会で必要とされる店舗になっていきます。
こういう確信を持つようになったのは20年ほど前です。つい先日、お亡くなりになった稲盛和夫氏の著書『実学』に出会ってからのことです。この本を読んだ時の衝撃は今でも忘れません。20代のころ、順調だと思っていた飲食店経営が突然、終焉を迎え、家族の生活も窮地に追い込んでしまった要因が理念なき経営にあったと素直に思えたからです。
実学を読んでからは、店舗や自分が担当する組織が変わる度にメンバーを集めて、まず初めにその組織の存在意義や自分が目指す組織の理想の姿を共有し、チームの団結を図るようになりました。仕事のやり方やノルマなどは二の次にして、まずはチームメンバーの思いを聞いて気持ちを合わせていくことを心がけるようになりました。
37歳で取締役に就任した際、真っ先に稲盛氏が塾長を務められていた盛和塾に入塾しました。入塾基準に経営者またはそれに準ずる人といったことがあったので、取締役になって何とか入塾を許可して頂きました。稲盛塾長は京セラやKDDIの創業者としての実績で理念型経営の素晴らしさを証明されていて、それはJALの経営再建時にも周知の事実となりました。

※2つ目の写真は盛和塾の大阪支部が当時発行していた『勝克の友(99号)』会報です。私が経営体験を発表して400人ほどの経営者から大変厳しいご指摘を受けたことがまとめられている苦い体験が記されたものです。付き添いで来た同僚がドン引きするほどの集中砲火でしたが、経営に対する思いや覚悟が深まった貴重な経験となりました。
小さな店舗に理念なんかいらないという方もおられるかも知れませんが、小さな組織だからこそ、理念を自らの姿や声で浸透させることができるので、より生きるものだと思います。たとえ1人で運営する店舗であったとしても、自分自身を律して、鼓舞することが出来ますし、その姿勢はお客様にもいずれ伝わっていくものだと思います。
FCに加盟するとそのチェーン店の理念について本部研修で説明されることが多いと思います。しかし、それを本気で追及しているところと、そうでないところは本部社員の姿勢を見ていればすぐに分かります。しかし、そんな本部の姿勢に一喜一憂していても自店の経営には何もならないので、加盟者自身が店舗の従業員をけん引していく理念を打ち出して、組織をひとつにしていくことが大切です。
理念を難しく考えずに、ありたい店舗の姿をイメージして、それを言葉にすれば良いと思います。またその言葉を張り出したり、普段から言葉にして従業員さんに伝えたりしていけば、その理想の実現に1歩ずつ近づいていくことが出来ると思います。FCの話から少し脱線してしまいましたが、店舗経営を考える上で最も本源的なことなので、この機会に稲盛氏への感謝の気持ちを込めて、理念の大切さを書かせて頂きました。
稲盛氏が経営者人生を振り返って、盛和塾で仰ったことがあります。それは「私が経営者としてやってきたことは理念を高めつづける日々でした」という言葉です。はじめは思いつきから出た理念であっても高めつづけることで、あれほど多くのひとの志を高めることに繋がっていくのだということを学ばせて頂きました。稲盛氏のご冥福を心よりお祈りいたしております。ありがとうございました。
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