こんにちは、リストランテ”TETSU”の飲食FCブログです。
前回に引き続き、FC本部が担う役割と機能について、日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)が発表している倫理綱領から考えていきたいと思います。倫理綱領の詳細についてはJFAのホームページに掲載されているので、そちらをご確認ください。ブログではこの9項目について、実例を交えて、どのように整備していけば良いのかを考えてみたいと思います。
倫理綱領4.「契約内容の理解と合意」
FC加盟契約書記載事項
FC加盟契約に規定する主な項目は、ネットで「飲食FC契約ひな形」と検索して頂くといくつも出てくるので、この場で長々と書き連ねることは割愛させて頂きます。どのサイトを見ても概ね似たような項目が並んでいます。こういった基本的な項目に加えて企業の経営方針やブランドのコンセプトや特性に基づいて、カスタマイズしてくことが重要です。
そういった個別項目については、過去のトラブル事例や良かった規定を踏まえてアドバイスさせて頂きますので、個別にご相談いただければと思います。ここでは、どんな業態にも当てはまる規定の中から、トラブルを未然に防いで、あわよくば加盟店との信頼関係の醸成に繋がるような視点で数項目をピックアップして説明させて頂きます。
FC加盟契約書の役割
つまり、単なる契約書の説明ではなく、追加営業ツールであり、現場を本部サイドが監視するインスペクションシート的な機能も担っているのです。顧客視点からするといい迷惑ですが、徹底的に契約業務の生産性を高める本部姿勢が伺えます。
FC加盟契約時に別のオプションをお勧めしたり、今ならもう1加盟契約するとお得ですよといったセールスをするとほとんどの場合、元の契約すら調印できない可能性がありますが、そういったことではなく、この加盟契約書の読み合わせを通してより信頼関係を高めたり、契約後の業務がスムーズに進むよう、考え抜かれた説明にすることが重要です。
食材及び資材の供給
またアレルゲン表記についても、フランチャイズチェーン店ではメニューに表記しているところも多くなってきていますが、そういったことについても確認のしようがありません。同じように見える牛肉でも、サイコロステーキのような加工されたものには代表的なアレルゲン物質であり小麦や卵が入っているケースが多いので非常に危険です。
アレルギーは肌が腫れてかゆくなるといった程度のものから、命の危険に関わるものまであるので、アレルギー表記を行っている店舗で独自仕入がおこなわれると、人の生命を奪いかねない一大事であり、個店の問題にとどまらず、チェーン全体の死活問題にも直結します。
なので、FC加盟契約時には単に「独自仕入の禁止」といった条項を設けて読み上げるだけでなく、この規定の意味をしっかりと説明し、深いレベルで合意しておくことが必要です。この項目に関しては、さらに配慮すべき点があります。それは、「優良安価」で本部は加盟店に食材や商材を供給しなければならないということです。
いくら安全確保のためといっても、市場価格からかけ離れた供給価格を設定して加盟店に卸すことは「優越的地位の乱用」と捉えられかねないので、その点にも配慮が必要です。なので、FC契約締結時には店舗への納品価格に対して、本部と加盟店で合意している必要があります。本部が食材や資材の納品価格を開示して、加盟店がその価格の妥当性を判断し、納得した上で契約を締結すべきです。
店舗がオープンしてから、納品価格で揉めることが無いよう、契約前にしっかりとすり合わせておくことが、後々のトラブルを未然に防ぐだけでなく、お客様に対する食の安全の確保という面でも、大いに役立つことに繋がります。FC本部は食材や資材の供給価格について、正々堂々と説明できる論拠をしっかり整えて加盟契約を行いましょう。
販売促進費
最近では販促費に宅配等の外部委託費やシステム利用料、ハード代金など契約当初には無かった追加費用が掛かるケースあるので、そういった費用が発生したときにどのように分担するのかといったことも先を見据えて条文に入れて、説明の際に合意しておくことをお勧めします。
ロイヤリティ
多くの本部が収益の柱としているのが、ロイヤリティです。これは本部支援に対する加盟店が支払う対価で、売上歩率や固定額で請求する本部が大半です。売上歩率については本部や業態によってまちまちですが、店舗売上の〇%といった設定です。お店がオープンしてしばらくすると開業前のシミュレーションと実際の売上が違うから、ロイヤリティを下げて欲しいという要望が時折ありますが、シミュレーションはあくまでも平均値や過去の実績等に基づいて設定されていて、その売上数値を保証するものではないといったことが契約書に明記されていて、本部としては想定を上回る売上が上がったとしてもその分、歩率を上乗せするということはないので、下回った場合に歩率を下げるという選択肢はないというのが実情です。こういったことも事前に説明しておくことが肝要です。また大災害に遭遇して加盟店の死活問題になるといったことがあれば、契約書に規定がなくても、本部として最大限の支援を行うことは運命共同体として当たり前の行為であり、そういう覚悟は本部として必要不可欠だと思います。
システム関連
最近ではDXとまではいかないまでも、飲食業にもIT化の波が押し寄せているので、そういったことに関する項目も先を見据えて規定しておく必要があります。システム導入にはイニシャルだけでなく、ランニングで費用が掛かるものや更新が必要なものもあるので、十分な注意が必要です。単に「新システムの導入」といった項目を設けて承諾を得たとしても、具体性に欠けると言わざるを得ません。技術開発により想定していなかったシステムが今後も起こり得るので、項目の規定のみならず、項目の説明に留意が必要です。
テリトリー権
2000年前後のFC全盛時は先ずは店舗を出店できるエリアテリトリー権を購入してから、物件を探すといったことが横行していましたが、景気の低迷や物件が見つからないといった理由でその権利が宙に浮いてしまって、訴訟沙汰になるということがありました。現在では、テリトリー権のみの販売は一般的には見かけなくなりましたし、こういったやり方は慎むべきだと思います。
テリトリーについて今でも問題となるのは、出店後のことです。排他的な営業エリアを設けて、カニバリゼーション(自社競合)を防止するという考え方と他社の同一業態が出店してきたら、結局顧客を奪われるので、他社の出店余地をなくすために、自社の同一ブランドを出店した方が良いという考え方があります。
どちらも一理あり、一方が正しいということではありませんが、事前にテリトリー内で好立地物件が出た時にどのように対応するのかといったことは擦り合わせておく必要があります。この擦り合わせは加盟店の意見を汲み取るというよりは、本部はどういった考えを持っているのか、示して、それに納得した上で加盟してもらうというスタンスが良いように思います。本部は全加盟店に対して公平でなくてはならないので、その都度、見解が異なるといったことが起こらないよう、加盟開発を始める段階で決めておくべきことだと思います。
以上、トラブルを未然に防いで、あわよくば加盟店との信頼関係の醸成に繋がるような視点で数項目をピックアップして説明させて頂きました。FC加盟契約書及びその説明が、加盟店とのより良い関係づくりに役立てられるようにしたいですね。
Continue to next time


コメント