15.FC本部が担う役割と機能⑤

飲食FCブログ

こんにちは、リストランテ’TETSU’の飲食FCブログです。

FC本部が担う役割と機能⑤品質保証と信頼性の維持

FC本部が担う役割と機能について、日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)が発表している倫理綱領から考えていきたいと思います。倫理綱領の詳細についてはJFAのホームページに掲載されているので、そちらをご確認ください。ブログではこの9項目について、実例を交えて、どのように整備していけば良いのかを考えてみたいと思います。

倫理綱領5.「品質保証と信頼性の維持」

フランチャイザーは、そのフランチャイズシステムのシンボルとなる商標又はサービスマークが、フランチャイジーが販売する商品・役務の品質を保証する機能をもつことを自覚し、フランチャイジーに良好で均等な品質の原料、商品・役務を提供し、すべてのフランチャイジーが販売する商品・役務がつねに良好で均等な品質であるよう監督する。
品質に関する消費者からの苦情については、フランチャイザーは、その商標又はサービスマークに対する信頼に応えて円満な解決をはかるものとする。
出典:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/36.html

倫理綱領5の規定は抽象的で分り難いものです。上記の補足説明を読めばある程度理解できるものの、見解が分かれるような文言もありますので、それぞれのFC本部が自らの考えを明確にしておく必要があります。

前段の「品質保証」について

シンボルとなる商標又はサービスマークが商品・役務の品質を保証する機能を果たしています。例えばマクドナルドのM型のマークは「ゴールデンアーチ」と呼ばれ世界中で認知されています。あのマークを冠した店舗で提供される商品や役務は統一された品質で提供されることを消費者は暗黙のうちに期待し、店舗に訪れます。
国や地域が変われば多少メニューや売価が異なっていることはありますが、本質的なファストフードとしての提供スピードや商品、値ごろ感、サービスは統一されています。私自身はフライドポテトであれば、In-N-Out(イナウトバーガー)の店内で生のジャガイモをカットしてフライドしたポテトの方が美味しいと思いますし、ハンバーガーならLAのトミーズバーガーや日本のモスバーガーの方が好きですが、それに似たものが混在して提供されるマクドナルドはあり得ません。
世界中の美味しいメニューを真似て1つのお店をつくったとしても、マクドナルドのような完成度の高いブランドは創ることはできません。マクドナルドはQSCA(品質・サービス・クレンリネス・雰囲気)全体のバランスが世界No.1のハンバーガーチェーンであり、個店のオーナーの判断で別の商品を提供するといったことがあれば、ブランドとしての統一性を失い、消費者の信頼にこたえることが出来なくなります。
そのため、本部の主要な活動としてスーパーバイザーによる店舗指導が日々行われています。マクドナルドのように完成度の高いブランドの店舗で独自の商品を販売したいと思う加盟店は殆どいませんが、一方で、ブランドの完成度や収益性が低いブランドでは加盟店が生き残りをかけて、契約条項に背いてまで独自の商品を提供したり、安価な食材を調達したりすることで、本部と訴訟に発展するケースもあります。
いくら本部が「品質保証」を盾に、加盟店に対して、統一メニューや本部供給食材の使用を迫っても、加盟店の収益がないがしろになっていれば、裁判で争っても勝てません。つまり「品質保証」は消費者に向けたものだけでなく、本部が運営するブランドの加盟店に対する「品質保証」でもあるということです。通常のレベルで店舗を運営をすれば、事前に示したシミュレーションの収益が得られなければいけません。景気やコロナなど外部要因による変動はあるにしても、平均的にはシミュレーションの近辺に収まらなければ本部品質が守られていることにならないという自覚をもってフランチャイズ展開をはじめなければなりません。一過性のブームに乗って加盟開発に踏み切った本部の浮沈を何度も目の当たりにしてきました。始めるのは簡単ですが、撤退には加盟店との訴訟や店舗の後始末に何倍もの労力や費用がかかります。
一方で、リスクばかり考えていては、成長機会を逃すことにも繋がりますので、判断が難しいところではありますが、ブランドを運営する当事者は薄々将来性を感じとれているように思います。迷いがある間はブランドの磨き上げに注力し、加盟店の成功がカラーで鮮明に描けるようになれば、フランチャイズ展開に果敢にチャレンジすれば良いと思います。京セラの稲盛氏が判断基準とされていた「動機善なりや、私心なかりしか」ということを自問自答してみてはいかがでしょうか。

後段の「信頼の維持」について

お客様から見れば、フランチャイズチェーン店は全て本部の責任において運営されているものとお考えです。加盟店の経営母体が〇〇という会社だから、そこにクレームを言おうなどということは絶対にありません。
それにもかかわらずベテランのスパーバイザー(SV:本部指導員)ほど、あそこのオーナーはいうことを聞かないので、仕方ないといった具合に店舗運営の不備をオーナーの責任にして、本部や自らを正当化するようなことがあります。
しかし倫理綱領では明確にフランチャイザー、つまりFC本部が解決すべきだと記しています。お客様に対する「信頼の維持」に対する責任は本部にあるということです。お客様クレームが発生した際、真っ先に対応するのは加盟店ですし、その後もできる限り加盟店が対応し、本部は最後の砦として対応するのが通常の流れだと思います。
加盟契約書にもクレーム発生時の対応について、一次的な対応は加盟店が行うといったことが規定されているケースが殆どです。クレーム対応は対応スピードが重要なので、一次対応を直接接客している加盟店が担うということに異論はないと思います。
しかしながら、クレームの原因が本部にあるケースもあります。本部が供給した食材が消費期限内でマニュアル通りの保管をしていたのに不良が発生したり、販売促進施策についてマニュアル通りに対応したのにお客様クレームを受けてしまうといったことも起こり得ます。そういう場合、いくら本部が悪くてもまずはお客様対応を加盟店がおこない、もし費用負担等が発生すれば、あとから本部と話し合って応分の負担を行うといった対応が必要です。
こういったケースで本部と加盟店が罪をなすりつけ合ってお客様対応が後手に回るようではとても「信頼の維持」はできません。FC本部が言う「信頼」はあくまでもお客様のブランドに対するものだと認識すべきだと思います。本部、加盟店を問わずブランドは共有財産であり、お客様に対して全力でブランドの信頼維持に努めなければなりません。そういったことを加盟契約の文言に明文化して、さらに共通認識にしておくことが何より重要だと思います。

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