『経営力を高める』③PDCAの質を高めるコミュニケーション力

ひとと企業のサポーター

企業では何らかの目標を掲げて、その実現に向けた行動計画を作って、担当者が業務を行います。その業務品質は、作業レベルの時もあれば、思いやこだわりのある匠レベルのものまで様々でしょう。
担当者のモチベーション次第で、仕事のレベルが大きく変わります。

組織活動だけでなく、個人であっても、何か目標を掲げて行動する場合、3日坊主に終わる場合もあれば、セルフモチベーション力で目標を実現することもあるでしょう。どちらの場合も、モチベーションが大きく影響します。今回は、経営力を高めるモチベーションについて、コミュニケーションの観点から考えてみたいと思います。

PDCAを回すのは現場の従業員

経営者や幹部、中間管理職だけがいくら頑張っても、従業員が動機づいていなければ、現場は空回りするでしょう。そこで必要になるのが、従業員の貢献意欲を引き出すコミュニケーション能力です。

さらに従業員にモチベーションをあげて、高いパフォーマンスを発揮してもらうためには、中間管理職が能動的に働きかける必要があるでしょう。

つまり、人の管理も経営力を高めるために避けては通れない課題です。そのため巷では、コーチングやモチベーションに関する書籍が山積みになっています。

企業経営では、個人の能力やヤル気を高めて生産性を上げることが至上命題です。また、人の集合体である組織においては、モチベーションの高いメンバーが相互に依存して、相乗効果を発揮することが目的となるでしょう。

では、どうすれば自分自身も含めた従業員のモチベーションを高めることができるでしょうか?

私は従業員のモチベーションの影響度が高い労働集約型産業であるサービス業で30年以上、この課題と向き合ってきました。

モチベーション管理の失敗事例

その中で経験した失敗例は20代の頃、自営業を営んでい時に遡ります。自分自身は自営ということもありやりたいことをやっていたのでモチベーションはMAXでした。

一方、働く従業員さんのモチベーションは、全く意識の片隅にもありませんでした。従業員は自分が指示したことをやってくれれば良いし、それ以上のことを望んだこともありませんでした。

当然ながら、従業員さんは指示待ちになり、自ら率先して、気の利いた接客をすることなどありません。その人が元々持っている性格に頼っているだけなので、成長は望めません。

この状態は店にとっても痛手ですが、実は働いている本人にとってマイナスが大きいと思います。人生の大切な時間を消費して、得られるものが安い時給だけでは非常にもったいないことです。

モチベーション管理の成功事例

30代になり、飲食FC本部に就職して一番初めに衝撃を受けたのは、アルバイト人員の戦力化です。それも何らかのインセンティブを付けて無理やり働かせるということではなく、アルバイト自身が率先して、行動していました。

この本部は当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで全国展開を加速させていた牛角の地区本部でした。大学生を中心としたアルバイトが、経営の疑似体験をしているような感覚で、異常なまでに高いモチベーションで店舗運営にあたっていました。

店長不在の店で、店長代理として働く猛者もいて本当に衝撃を受けました。その動機づけの仕組みについては、ここでは割愛しますが、牛角が全国チェーンとして今も存在している理由はここにあります。

私は自営業に失敗して、自らの力不足を痛感して、牛角のFC本部で店舗経営を学ぶために入社しました。そのため30才を過ぎていたものの、アルバイトの動機づけやコミュニケーションの取り方について、素直に学び吸収できました。

そして、店長として、配属された店舗でそれを実践し、成果をあげました。1年毎に昇格し、7年目には社長として、同社を牽引する立場になりました。

給料と並ぶ仕事の本質的な対価

従業員を時給の対価として労働力を提供してくれるだけの存在と捉えるのではなく、個人と店舗の成長を紐づけて、経営参画してもらうことで、店舗も従業員も成長を実感することができました。

仕事を作業として捉えるのではなく、自己成長、ひいては、人生をより豊かにする経営力を磨く場として捉えることで、全く異なる仕事観が芽生えました。

当時と比較して、今は仕事と私生活を分離して考える人が増えたように思います。そして、仕事は収入を得るための手段であって、コスパを最優先に考えているようにも思います。

モチベーションを高めるコミュニケーション

今はキャリアプランといっても、単に給料をどうやって上げていくのかということに重きが置かれていたり、転職仲介会社の転職を勧めるための常套句となっていたりして、本質的な意味合いが薄れているように思います。

本来キャリアプランは、仕事を通して自らの経営力をいかに高めていくのかを考えることだと思います。

経営者や上司は、企業の成長と一人ひとりの従業員の成長を紐づけて、会社と個人の成長を同時実現することに全精力を傾けるべきだと思います。

従業員のモチベーションを高めるには、コーチングやマネジメントの手法ではなく、相手の成長を願う気持ちを持ってコミュニケーションができるか否かにかかってるように思います。

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